俺的GAMEレビュー★

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「ドルアーガの塔」
1984年だったかに(あいまい)、ナムコがアーケード用に発売したアクションパズルゲームである。知る人ぞ知る有名ゲームである。
(「知る人ぞ知る」って言っておいて、「有名ゲーム」って書くのも何だな)

ともあれ。知ってる人でもたいていの人は移植されたファミコン版のほうを知っている・プレイしたって人が多いと思う。僕もそのクチだ。まぁ、アーケード版が先に出てるって事は知った上でプレイしてましたが。10才くらいの時かな?攻略本を片手に必死でファミコン版をクリアしたもんです。
(ちなみに上の画像は上段がアーケード版で、下段がファミコン版です。アーケード版は縦画面。)
このゲーム。全60階(面)あるのですが、基本的に各階に宝箱が1つ存在する。この宝箱にはクリアに必要なアイテムが満載なのである。必須アイテムを取らないと、絶対にクリアできない。必須アイテムじゃなくても、「画面が真っ暗で見えない」「ある敵が見えない」「ステージクリアのための扉が見えない」など、とてもイジワルな事が起き、結局クリアは無理なんじゃないかと思う事も多いので、結果として8割くらいは宝箱を取らなければならない。
「じゃぁ取れよ」。いや、もっともなのですがね。それが難しいのですよ。それがドルアーガの塔の大部分を占めるポイントなのですよ。各階の宝箱を出現させるには各階別々の条件が設定されています。これが難解。全国のプレイヤーを苦しめた。「スライムを3匹倒す」などの簡単な条件ならともかく、とても難しい条件もあったりで大変なのです(そこは後述の特別編で)。
しかしそれをこえてのクリアはとても嬉しいもんです。当時10才の私も何度もクリアしました。
で、最近ふと思い立ち、エ○ュでアーケード版を、携帯電話のJ-フォンへの移植版と立続けにクリアしたのですよ。いやぁ、面白い。10才の頃を思い出す。もちろん攻略メモを片手に…ってのは変わらないのですが。
っていうか、ないと俺には無理だし。


プラス戯言〜「ドルアーガの塔」について考える〜
で、10才の頃に初めてドルアーガに触り、15年以上たって久しぶりにクリアしたわけですが。当時はただただ攻略本を見てクリアする事に必死だっただけだったけど、大人になってクリアして色々考えたのです。

いやね、プレイされた方は知ってると思いますが、とにかくこのゲームは難しい。攻略本とか、ようするに
「宝箱の出し方」がわかると一気に難易度は下がるのですが、まったくナシだとクリアは不可能なんじゃないか?と思うわけなのです。得に現在の「親切・丁寧・やさしい」なゲームに慣れた方なんかは特に。
ドルアーガの知識がゼロの人に、テレビとファミコンとトイレと飯しかない部屋にとじこめられて、
「1週間でクリアしろ」って言っても無理なのではないか?
とにかくそれほど
「普通にプレイしてたら」わからない条件で宝箱が出る
百歩ゆずって、それでも良しとしよう。しかし良く考えてみると、恐ろしいのは
「これがアーケード版が最初」だって事。今思えば、「これをアーケードで出す??」って感じですか。
当時アーケードでは、まったく情報がゼロの中で全国の猛者達が宝箱の出し方を1から解いていったという。みんなで協力してプレイし、リストを作っていった人。また、自分で見つけた宝箱の出し方は、人には知られてはいけないと隠しプレイする者や、ゲームセンター自体が他人に画面を見られなくするフードをつけたりしていたらしい。
今のヌルイ世の中では考えられないような、
ハングリーで熾烈な闘いだ
熱いな…熱いよ…へへ(「修羅の門」風)。良き時代であった。
でもね。でも、本当にゼロから研究してわかったのだろうか??いや、当時
自力で解いたプレイヤーを不信の目で見てるわけじゃありません。今やってみると本当に「わかるのか?」っていう条件が多いのです。
それをお金を入れてプレイし、制限だらけのアーケードでやれるのかな…と。

31階の宝箱の出現条件が
「スタートボタン(1プレイヤーボタン)を押す」というのがある。ええ!?普通アーケードゲームではプレイ中スタートボタンを押す事なんかまずないよ!?家庭用ゲームのようにポーズなんてないしね。盲点っちゃ盲点だけど、普通押さないさ。
で、当時偶然にもそれを知ったプレイヤーがいて。彼は他の人にそれを気付かれないように
「31階になると足を組み直したり、ヒジをついたりするなどしてコッソリとスタートボタンを押した」という。そんな世界だ。
そんな世界、本当に自力で宝箱を発見できたのか?いや、だから当時の人を疑ってるワケではない。
さらに例えば…
「ブラックスライムを2匹倒す(2階)」なんて条件はわかるかもしれんよ。敵がいるんですもの。倒すでしょう。でも「鍵を取らず扉の上を通る(4階)」ってイキナリ4階でどうなの?ゲームの目的として、鍵を取って扉を開けてクリアするんだから、まず鍵を取るでしょう。逆手にとってる条件ですわ。これならまだいい。
「ギル(主人公)を出現位置からXY軸ともずらして剣を抜く(8階)」「ブルーナイトと交差時に剣を抜く(15階)」「出現位置から移動し、10秒ほど静止する(21階)」「剣を出しながらドアの上で止まる(28階)」「レバーを上に2回、下に5回たおす(39階)」「レバーをどちらの方向かに倒したままにする(51階)」……ええい!キリがない(笑)。こんなの先述の「なにもない部屋に閉じ込めて、解け!」って言われて自力で解けるのかしら??

何度も書くように、当時自力でやったとう方をうたがっているのではない。もうね、その人はね、スゴイです。ハンパないです。でも最近アーケード版、携帯電話版をクリアする際に宝箱の出し方メモを見るたびに、
「本当かよ!?」と思っていたのでした。それほど無茶な条件だらけなのである。
しかし、この条件の中クリアした時の喜びは相当のもんがあります。酷いゲームだけど、クソゲーにあらず。今のヌルイゲームに慣れた人に、この60階もある塔を自力で登った猛者達がいた事を知っていてほしいもんである。

…と、ちょっぴりカッコイイ事を言ってシメるのであります。



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