俺的GAMEレビュー★

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「ジョジョの奇妙な冒険〜黄金の疾風〜」

そもそも…まさか私がプレステ2のゲームの感想を書くとはなぁ…。しかも、こんな新しいソフトをだ!(2003年2月現在)。お星様もびっくりだ。

さてさて。週間少年ジャンプ連載の荒木飛呂彦のロングセラーマンガが元のこのゲーム。イタリアのギャングが舞台になった第5部をゲーム化したものである。そもそも
ジョジョの奇妙な冒険というのはそう簡単にゲーム化できるような漫画ではない。今まで、(2003年2月現在で)10年以上・第6部まで続いているが、私の知る限りでは本作を含めてたったの3本しかゲーム化されていない。きっと、作る側も無理だと思ってるだろうし、原作サイドも断っていたんだと思う。実際、最初に第3部をスーパーファミコンで発売したものは、超クソゲーのレッテルをはられた。
その後しばらくゲーム化はなかったが、アクションゲームの雄、カプコンが第3部を対戦格闘ゲームとして発売。
これがさすが!よくできたものでして。これで原作サイドから信頼を得たカプコンは、プレイステーション2でフルポリゴンのアクションゲームとして第5部をゲーム化したのである。

ただこの第5部。私はとても好きなのでよくわかるのですが、とてもゲーム化しにくいと思ってました。先述した通り、もともとゲーム化しにくいだろうジョジョですが、とくに4部以降は難しいと思っていました。
ジョジョは第3部から「スタンド」と呼ばれる強い守護霊のようなものを出現させ、その守護霊同士が闘う漫画です。第3部のスタンドはとてもわかりやすいスタンドが多かった。接近戦の強いヤツ、遠距離から飛び道具で攻撃するヤツ…。だから格闘ゲーム化するのにはやりやすくて良かったんだと思う。しかし4部からはスタンドも進化していく。1人の人間に何十体ものスタンドが出たり、遠隔自動攻撃スタンド、髪の毛が伸びる…。とてもゲームで表現しにく要素がたくさんだっ!


さて、そんな中ゲーム化された第5部。
一言で言えば、
上手いですね。よくもまぁ、うまい事ゲーム化されてます。見事です。ゲームマシンのスペックも上がった現在なので、フルポリゴン化されている荒木キャラも嫌悪感を覚えるほどのギャップもない。スタンドの表現も見事だ。
もう、原作を知っている人はニヤリとする部分がとても多いです。でも、逆に言うとこれは完全なファン向けソフト。原作を知らないとさっぱりわかりません。たとえ第5部を知らなくともスタンドがどうとかを知ってないとキツイ。ジョジョをまったく知らない人…は買わないと思うけど、
知らない人には向いてなさすぎ

じゃあ、ファンは大喜び100%なのか?…って〜と、そうでもない。原作を知っていれば知っている程細かい部分の差に「ええっ!?」と困惑してしまうのだ。
カプコン製作側も「ジョジョマニア」を集めて製作してるらしいので、単純なミスってのはないと思う。「ゲーム化」ゆえに難しかったりカットしたりした部分も多いでしょう。第5部のみのゲーム化とはいえ、膨大な話だから、全部入れるなんて無理だろうし。でも、だからこそそこがおしいのですっ!見たいんですよ。でも考えてみれば無理だしいらないかもな…とも思う。よくできているだけに、この葛藤がとてもくすぐったいのである。


序盤から、「何で康一くんはいないのか?」それはどうなの?とか思う。が、よく考えてみれば第5部では特別いらないキャラだし。
個人的に好きな「ズッケェロ」の「船は2槽あった!」ってのは見たかった。が…たしかにどう表現すんだ?…って感じだし。「ホルマジオ」のリトルフィート戦では瓶の中でクモとも戦いたかった。ペッシvsミスタ戦も見たかったし(結果ミスタ負けるからカットされたんだろうなぁ)、第5部のキーキャラクタである「ドッピオ」ももっと見たかった。…あげればキリはないです。
でも、どれも仕方ない事ばかり。
ひとつひとつの戦闘・アクションはとてもよくできている。「普通に相手の体力をゼロにしても勝利できるが、なるべく原作に近い勝利」をすればボーナスポイントが高くつくのも面白い(ボーナスポイントを稼ぐとオマケが増える)。

全体を通して、主人公ジョルノとブチャラティを操作する事が多い。アバッキオ、ナランチャ、フーゴのスタンドはもっと操作したかった。…が、例えば原作でもフーゴのスタンドが戦う所なんて1度しかなかったので仕方なし。クリア後のオマケで、「原作にはない夢のバトルが出来る」モードが出現。これで「フーゴvsチャリオッツレクイエム」などが出来るので良し。
全体を通して、とても丁寧に、よくできており面白かった。…が、もう一押し欲しかった所。
丁寧に作りすぎか

余談だけど…キングクリムゾン(ラスボス)は弱っちくてちょっと残念。
スタンドの表現とかはカッコイイんだけど。



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