〜ソニン 〜




「カレーライスの女」
 


歌詞が「そもそもソニン本人の事を言ってんじゃないのか?」ってくらい、ソニン本人のまわりでは事件が多発し、それを打破しようと出来上がったような本作(ちょっと言い過ぎ)。
ユウキに裏切られ(ぶっちゃけ言えば、結成当時は3人だったのだが)、EE JUMPの活動を中止しソロになったソニンの初シングル。
今までのイメージを一気に変えるという試みから、ものすごい事になっています。全体的に「ものすごいバカバカしい事を真剣に・真面目にやってる」感じのPV。まぁ、この「PVはバカ路線」ってのはEE JUMP時代からずっと継承されているらしいのですが。巨大ソニンが高層ビル群を歩き口から火をはきまくったり、カレーライスを食す大きいスプーンをマイクのように持ち歌ったり。横たわって色っぽく歌ってるその場は巨大な皿の上だったり。でも本人は神妙な顔。
しかしやはりこのPVで特筆する所は、話題の「裸エプロン」のソニンでしょう。またはおそろしく胸を寄せて上げた衣装でこの曲のために覚えたギターを直立不動で弾いているシーン(あぁ、初心者っぽい弾き方ってわかる)。
実際本当に「裸でエプロン」で撮影したそうで(まぁ上だけだけど)、がっぽり開いたサイドや背中、それをまさに狙って撮影した絵はドキドキもんです(死語)。
この曲から完全にソロとなり、心機一転!という事で今までにない路線で作ったPVだそうですが、色んな意味でものすごいPVです。


「津軽海峡の女」
 


ソニンが完全にソロで活動する事になってのシングル第2段。なんだか知りませんが1stの「カレーライスの女」と同様、「〜の女」と、「女シリーズ」となっております。まぁ、2作で「シリーズ」というのも何ですが。まぁ、2作続いたなら間が開いてもいいから3作・4作と続いてほしいけどね(3rdシングルは「〜女」ではない様子)。
前作の「カレーライスの女」同様、なんだか力強いながらも、相変わらずとても切なく悲しい歌。そして、例によってやはりお色気もアリ。「カレーライスの女」では、「裸にエプロン」でしたが、今回は胸元がバックリ開いた着物(和服)。そんなカッコで、どうやらあきらめなかったギターを荒波の上でかき鳴らしています。何でやねん。
重厚な音に、切ない詩、ら行を巻舌で歌い、胸ははだけ…ベクトルの違う要素がてんこもりですが、それを平気でやってのけるのは、ソニンの底力か。強いですソニン。
とにかく上のイラストのように、切ない歌詞です。むしろこっちが切なくなってくる歌詞です。もう、どう見てもソニンの苦しい気持ちを歌っているとしか思えません(在日コリアン3世のソニンさんは高知県に住んでいた)。
とにかくがんばれソニン!隠れファンの私は、密かに力強く応援してます(笑)。


「東京ミッドナイトロンリネス」
 


出た!ソロになったソニン第3弾シングル。「〜女」でないのはいささか残念だが、これはこれでかなり痛烈な題名、歌である。さすがソニン!さすがつんくである。見どころ満載。
カラオケでこの歌を馬鹿みたいにはしゃいで熱唱する、普通のソニン。80年代の女性ロックボーカルのような、デニムの短パン、ヘソ出しシャツ。ブーツにジャケット姿で、少しソバージュがかった髪型が何だかあまり似合わずステージで歌うソニン。黒い皮の上下に身をつつんで激しく歌うソニン。…と、数種のソニンが楽しめます。
激しい曲ですが、相変わらず詞は切ない。またしても上京したソニンの悲しい気持ちを歌った感じ。愛情・友情・諸行無常
マイクスタンドをぐるんぐるん振り回す、まさに80年代かっ!?っていうパフォーマンスは必見。やれと言われても、誰も教えてくれなかったからビデオを1人見て研究したらしい。泣かせる!某・武○士のCMをパクッたとしか思えない、レオタードねえちゃん達のバックダンス!何故か宙に浮くソニン!なんなのだコレは!すごすぎる(´▽`)
いやぁ、ソニンのPVは何でこんなに面白いんだろう。


「合コン後のファミレスにて」
 


ソニン待望の4thシングル!今度は風呂だ!
…とにかくまたやってくれました!またしても、どこまで・何をソニンにさせるんだよ、つんく♂!?…と言わんばかりの変化っぷり。
題名からしてかなりのモンなのですが、曲自体もスゴイ。吉田拓郎ぶりの激しい語り口調のフォークソングです。
無茶です。
ソロになって覚えたギターにも磨きをかけ(?)、アコースティックギターで弾きがたっていますよ!まぁ、一応後ろにバンドマンはいるんだけども。ソニンは本当にどこまで弾いているのやら…。コード進行はそんなに難しくないのを書いてもらったようですが…。

映像としても不思議な部分は多い。ライブ会場で歌っている感じなのですが、バックバンドがいて、観客が大勢いて、後ろには巨大なモニターが置いてある。ソニンは胸元が大きくあいた可愛い服を着ております。とても臨場感があります…が、何故か後ろのモニターに映っている映像や置いてある看板、観客の持つプラカードは「NO WAR!」などの反戦映像。題名や歌詞にもそんな反戦を語っている所なんか1つもないのに(笑)。
そしていつしか恒例のお色気シーン(?)ですが、今回は入浴シーンです。シャンプーのCMのように髪の毛を洗い、軽くシャワー。そして白く濁った湯舟に胸元までつかってまったりと歌っています。なかなか色っぽい感じ。
…しかし入浴シーンとはいえ、今回はそんなに「お色気シーン!」という感じで、強烈なイヤラシサはなかったりします。ギリギリ度が足りない…とか、そういったものではなく、本当に気持ち良さげで楽しそうな表情が可愛いんですよ。「素」っぽくて実におだやかで可愛らしい。
風呂に入って歌いたくなります。
例によって歌詞が「ソニン本人の事言ってるんじゃないの?」っていう妙な歌詞なので、気分良く歌の世界にソニンは入りこんでいるんでしょうかね。とても気持ちよさげで、今回も素敵です。


「ほんとはね。」
 


ソニン待望の5thシングル!!今度は電車だ!…いやまぁ、電車という舞台設定はわりとありがちか?
もともとは「より子」というアーティストの曲である。つまるところカバー曲である。しかも今度は「インディーズ」での発売である。
思ったより売れないから…それでも芸能活動をして歌い続けていきたいから…と色々な事柄によりインディーズで発売になったそうな。もはやこれは現実なのか企画なのかよくわからないくらいである。ソニン…なんだかもう、ふんだりけったりである。
現実、華やかなれど売れなければ知らないうちに消えていく芸能界。それでもソニンは本来売れていなければ出演は難しいであろう「うたばん」や「HEY!×3」などの大型歌番組に出演している。売れなくなって消えていく芸能人にはできない芸当だ。「インディーズで出直し」なんて、一度売れた芸能人にはプライドが邪魔をして出来ない事をしているのかもしれない。
また、たとえこれが企画なのだとしても、それは大変な企画である。全て途中で投げ出しそうな企画である。それをやってのけるソニンさん。現実か企画か、はたまた両方か。それはわからないけどめちゃくちゃ頑張り屋さんのソニンさん。感服します。
(・・・そうか、だから3人もいたEE JUMPでソニンだけが残ったのか。みんな投げ出したのか。)

PVとしては、曲調・内容が切ないバラード、そしてカバー曲なだけあって、今までのようなセクシーだったりちょっと馬鹿テイストが入ってたりはしない。今までのようなものを期待していると肩すかしをくらうかもしれません。
しかしこれがまた。これがまたしっとりと歌い上げるソニンさんが素敵なんですよ。とくに何度も何度も挿入される顔アップの絵は、ものすごい見つめられてて相当まいります。「カレーライスの女」でもじっとこちらを見て回ってるシーンがありましたが、それと同様に吸い込むような瞳で、時折笑顔でこちらを見るソニンに「こっち見るなよ!照れるじゃねぇか!」状態(^^;
とりわけ目新しい映像はないですが、どこか引込まれる映像です。

・・・イラスト。似ないなぁ・・・・・ごめん(^^;


「ジグソーパズル」
 


ソニンの新曲キターーーー!!!今度はトイレだ!!!
相変わらずものすごい発想です。今度はソニンさん、公衆トイレの個室の中でギターを激しく鳴らして歌っています。詞もまた見事にソニンらしい。今回も見事なネガポジシンキング(勝手に命名。「まず一気に暗い部分を吐いてから、さあ仕方ないからジワジワ上がっていきましょう」っていう方式)。「暗さの中にわずかに輝くポジティブの光」。基本的には暗い…はてしなく暗いのですが、どこかキラリと光る希望を追うソニンさん。曲調も激しく最高です。

トイレのシーンでは、ソニンさんの他、女子高生やちょっと怖そうな兄ちゃん、サラリーマンなどがパンツを下げて座って何かを考えたりと、実に奇妙で危なげな映像がたまらない。トイレ以外のシーンでも、暗闇のヒマワリ畑で歌うソニンが切なさと不安な気持ちを倍増させる。普通ヒマワリといったら青空だろうに…さすがである。また、途中途中入る「サンドバッグにパンチやキックをするソニンさん」もなんだかとても素敵。さすが肉体派である。
トイレの個室の上からソニンさんを撮影しているシーンでは、迫力の胸の谷間がのぞけるなど、相変わらずのピリッとしたお色気も見逃せない。
一気に、一気に最後まで魅せてくれる魅力満載のPVです。


「あすなろ銀河」
 


これまたスゴイPVですね。マイケルジャクソンの「スリラー」を彷彿とさせるドラマ仕立てのPVです。あそこまで大げさではないけど、全部で9分程度もあって見応えあります。
っていうか、聴けん!!または見れん!!さらに言うなれば聞きたい!
…意味わかんないですね。盲目の少女役を演じるソニン。目の見えない彼女が街で出会った少年。星なんか見えるはずのない都会で「星が綺麗だよ」と嘘をついた。少女は少年を好きになっていくのだが、少年には何か秘密があるようだった。少年は指名手配されている人物だったのだ。そんな事も知らず少女は視力回復の手術をする。「一ヶ月後に出会った交差点で会おう。星を見せてあげる」と約束した。手術は無事終わって約束の日…少年は何者かに刺されて少女と会う事はできなかった…。
…とまぁ、大雑把に書くとこんな感じ。ちょっと強引な展開ですが、ソニンの名演もあってなかなか引き込まれます。おそらく少年は法に触れる何かを手にしているみたいですね。最後のほうで大きなバッグをこっそりコインロッカーに入れていますし。悪のグループを抜けたのか、最初から逃げていたのか。その制裁か何かで最後は刺されたんでしょう。悲しい結末です。
そんな展開なので、マジマジと内容に入り込むと歌なんか「聴けん!」のです。聴いてられない。または歌に集中すると「見れん!」見てられないのです。また、基本的にPVなので、イントロと途中ラスト以外は音声はありません。歌のみです。ゆえに「聞きたい!」のです。どんな会話をしているのか気になるのだ!
ちょいとドラマがよく出来ているので、妙な葛藤で困ってしまいます。
最後のソニンの笑顔がすごい良いですな。